アメリカン・ホラー・ストーリーSeason1

いわくつきの家に引っ越してくる古典的な『アメリカン・ホラー・ストーリーSeason1(呪いの館)』

アメリカン・ホラー・ストーリー:呪いの館 シーズン1 (字幕版)

Season1(呪いの館)の内容は3人家族がいわくつきの家に引っ越してくるという内容になっています。古典的なアメリカン・ホラー・ストーリーですね。その家では過去に何世代にも湧かれて事件や事故が起こっているもよう。

そうしたおぞましい事件に関連する幽霊が登場します。それだけでは飽き足らず、不気味な住人や家族自身が抱える問題など恐ろしいできごとで山積み。現実的な恐ろしさと幽霊的な恐ろしさが混ざった作品です。

『アメリカン・ホラー・ストーリーSeason1』の流れを3つに分けて感想(ネタバレあり)

Season1(呪いの館)では物語を序・破・急の3つに分けて説明することができます。エヴァンゲリオンじゃないよ。その3つの構成から物語の流れと感想をネタバレを交えつつ綴ります。

過去の事件と幽霊とがシンクロする序

いわくつきの家に越して来た家族の話ですが、話数ごとに過去の事件とそれに関する幽霊が登場するのが前半の流れになっています。地下室で双子が殺されたり、バラバラに幼児が殺されたり、ゲイのカップルが殺されたり。

その事件が過去の映像として視聴者に紹介されると、その家族の目の前にふらっと現れます。しかも、主人公家族は彼らが幽霊であることに気づいていません。もうここまでくると誰が幽霊なのか観ている人にもわからないのです。生きている人間でさえ、怪しい挙動をしており、その人たちでさえ幽霊だと勘ぐってしまうほど……

感想としては

「誰が幽霊だかわからない」と「生きた人間さえ怪しい」ということ。過去映像で惨殺された人間が何食わぬ顔で訪問してきて、「あれ? この人死んでるよね?」ってなる。だからまだ過去で殺された映像の流れた人でも死んでるのかどうかわからない始末。

隣の娘のアディは勝手に家に入ってくるし、家に興味を持ちすぎる。ダウン症といえばラース・フォン・トリアー監督の『キングダム』だけど、あっちも訳知りだったし。その母親のコンスタンスは勝手に家に入るアディを叱責したヴィヴィアンに娘に触れたら殺すと脅す。

しかもこのコンスタンスは家にある銀食器を毎日盗みにくるし、怪しい。そして突然現れるやけどの男ラリー。大黒柱であるベンにしつこく迫る。なにせ顔の半分がやけどでただれているので、焼け死んだのかと思った。

幽霊の正体が明かされる破

ハロウィーンという日を境に幽霊の正体がわかります。簡単にいうと家の敷地内に出られない=幽霊という考え方です。となると隣のおばさんや勝手に入って来るダウン症の子は幽霊みたいに気味が悪いけど生きた人間ということになります。

とにかくこの家は持ち主が変わるごとに誰かが死に、その家で死んだ人の魂はその家に囚われて出ていけない。でも人間みたいに触れることも会話することもできるから、幽霊かわからない。人間と幽霊がセックスしちゃうくらいですし。

感想としては

このあたりから徐々に生きている人の区別がつきはじめる。なにせ家で死んだ人の魂は家の外に出ることはできないから。ハロウィーンの日は別。それと同時に他の人の秘密もわかってくるから面白い。

ベンにカウンセリングを受け、「自分が学校の生徒を殺して歩く想像をしてしまう」と言っていたテイトが過去に本当に銃乱射事件を起こし、警察に撃たれ死んでいることが明らかに。そう、テイトも幽霊だったのだ。

このテイトが越して来た娘のヴァイオレットと恋に落ちてしまうからややこしくて面白い。コンスタンスは以前に家に住んでいたことがあり、やけどの男ラリーと関係があったことも明らかにややこしい。

越して来た家族も死に家に囚われてしまう急

まず娘が死にます。薬を大量に摂取したことによるOD。もともとリストカットとかしてた子だし。そして次に母親が幽霊にレイプされてできた子供を産むときに死にます。そのとき双子を身ごもっていたけど、本物の父親との子が死に、幽霊との子が生きます。

そして最後に父親が殺される。父親の浮気相手が妊娠した子供を連れて脅しにくるけど、その時にやけどの男に殺されて家にとらわれてしまいます。そして自分も赤ちゃんが欲しいと生まれた子を奪うために殺してしまうのです。

結末はそこで終わらず、次に別の家族が引っ越してきます。そして主人公家族は新たな被害者を出さないように越してきた人に危害を加えないように考慮しつつ脅して夜逃げさせる。ちょっと笑いそうになってけど、死んで家族ともどもほんわかムードでしたね。

感想としては

この辺りから怒涛の展開。娘のヴィヴィアンは普通に生活しているから、死んでることに気づかなくて、秘密が明かされた時には驚いた。本人も死んでることに気づいていないみたいだったし。

ヴィヴィアンも死に、ベンも死に、全員死んでハッピーエンド。ええ、なぜかバッドエンドに感じられないんですよ。それというのも越してくる前にベンの浮気が原因で家族はほぼ崩壊状態。この浮気相手の幽霊にベンが殺されてしまうから、もうむちゃくちゃですよ。

でも死んだあとの方が家族仲良くなってて楽しそう。Amazonで買い物できて、一生ゲームして暮らせるなら、この結末もありかなと思ってしまった。だって、なんか幽霊になってみんな楽しそうなんですよ。

理解できない点があったので考えてみる

永遠のメイド、モイラ・オハラの立ち位置

なんかおばあちゃんの姿で専属メイドとして家に雇われるんだけど、この人の立ち位置が良くわからなかった。最初の印象は人当たりの良いおばあちゃんという感じ。でも男を誘惑する特技を持っていて、なぜかその対象となる男には若い女の人に移る。

このモイラというのが死んでいることが早めに明かされるんだけど、どうやら死んだ当時の容姿で誘惑するらしい。なぜ死んでるのにおばあちゃんの姿に年取っているのか謎。

あとヴィヴィアンを本気で心配するそぶりを見せていた。悪い人なんだか、良い人なんだかどの立ち位置にいるのかわからない。なんで死んでまでまだメイドを続けているのかも謎。最後まで謎の女性でした。

生き残った赤ちゃんの立ち位置

なんかそれっぽい雰囲気を出している霊媒師によれば、幽霊と人間の間にできた子供は悪魔の子供で、世界を破滅に導くそうな。でもこの子がやったことといえば、ハウスキーパーをひとり殺したことだけ。

それも悪魔がかりな力でなく、喉を掻き切るというなんとも殺人鬼的な方法で。これでは死ぬ前のテイトが抱いていた悪しき思考をそのまま体現させただけの存在だった。この後、世界が終わることはなく、『ペットセマタリー』のような殺人少年になるんだろうな。どいう意味合いのあるエンディングとして見ていいのか、いまでも頭を悩ませています。

結局のところ、人間味あふれる幽霊たちの愛憎劇

『アメリカン・ホラー・ストーリー』というタイトルから古典的なホラーとして売りに出しているかと思えば、中身はそうではなかった。幽霊がすることといえば、人間と恋に落ちたり、セックスしたり、普通にナイフで勢い余って殺してしまったり。

まるで超常現象を起こす気もない。たんにこの家から出られないというだけで、やっていることは人間となんら変わらなくて面白かった。むしろ生きた人間の方が気味の悪いドラマだった。

コンスタンスなんて子供たちにゆがんだ愛情を持っているし、家や幽霊と関わりがあるし、周りで人は死にまくるし、一番気味の悪いキャラクターだった。火傷の男もベンも自分勝手だし、人を怖がらせるという点において、幽霊である利点がなくて面白かった。

あと家なんにもしてないし……

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