シン・ゴジラ

初代の恐怖ふたたび

今日『シン・ゴジラ』を観てきたので、早速感想を書きます。

まず最初に思ったのは編集とカット割りがエヴァを彷彿とさせていたこと。カット割りが台詞をベースにしているため、どこか慌てているような編集になっていたのが特徴的でした。

というより、アニメ出身の監督が撮って編集した感じが出ていました。ところどころ粗が目立つ感じでしたが、決して嫌いじゃなかったです。むしろ日本映画によくみられる、カメラの中に会話している人物をすべて入れて、引きの状態で延々と会話を聞かされるやり方よりは好感が持てて好きでした。

一番感動したのが、初代へのオマージュが冒頭からにじみ出ていたこと。東宝の文字をバックにゴジラの足音が聞こえ、ゴジラの鳴き声が聞こえたかと思ったら『シン・ゴジラ』のタイトル出現!

これって、初代ゴジラの始まり方と同じなんですね。いやー、やられた。

物語は謎の海中爆発と海中トンネルの崩落から始まります。事故の対応に臨時委員会が開かれ、ああでもないこうでもないと会議が始まります。そこへ謎の巨大生物の出現の報せ。これまた閣僚内でああでもないこうでもないと話し合い。

このシーンは初代ゴジラにもみられますね。政府のお偉い方が集まって、まだ未知の存在であったゴジラの正体についてああでもないこうでもないと話し合うシーンです。

やがてゴジラが姿を現し、その姿に驚愕しました。ゴジラじゃない別の生物が現れたのかと思いましたよ。だって下半身の脚と背びれは立派なゴジラなんだけど、上半身が未熟児のよう。未発達で小さい頭部に異様に目立つギョロ目。頭部に対して異様に発達した首には巨大なエラ。まるでラブカを思わせるような顔でした。

そいつがただ腕のない上半身を地面にひきずって、後ろ足だけで前進しているんですよね。それが何の目的もなく、ただビルなどを押しのけて進むさまは知能がない感じ。というよりもゴジラ自身もその身に何が起こっているのかわからない様子。

「ははん、そうきたか」劇場内でそうはっきりと思ったのはこれが初めての体験ではなかったでしょうか。つまり核により生物が変化する様子を、おぞましく表現しているのだなと。こいつが核の影響で完全なゴジラになる様子を描くなんて誰が予想したでしょうか?

しかもそのおぞましが、またボク好みで憎らしい!

そしてゴジラは目の前で変化を遂げます。上半身が大きく発達し、腕が生えるんですね。だけどその変化のせいで体内の温度が上昇したゴジラは海へと戻って行きます。

しかし翌日に舞い戻った時には、完全体ですよ。これが。そいつがのっしのしと悠然に歩いて建物を潰していく様は豪快で良かったなあ。

ゴジラといえば、やっぱり放射火炎ですよね。ハリウッド版の『ゴジラ』でもその破壊力は示されていますが、その放射能を帯びた炎が放つ絶望感はこの「シン・ゴジラ」が一番よく表していたのではないでしょうか。

しかもその炎が背中から漏れて放出されるんですよね。これにはシビれた。だって、これはゴジラが完全な生物としての形をなしておらず、核によって皮膚や内部構造にひび割れや裂け目があって、ズタズタになっている証拠じゃないですか!

核に込められた畏怖の念がここに集約されていると思いました。しかも地面に向かって吹いた放射火炎がビルの合間の道路を通って、四方八方に飛散して街全体を燃やし尽くすシーンには絶望すら覚えました。

最後に人類は血液凝固剤を使ってゴジラを凍結しようと試みますが、アメリカが戦術核の仕様を提唱し、国連がこれを認証するというシーンがありました。ここはもろに初代リスペクトですよね。

初代ではそんなことはできないと、総理はきっぱりと断ります。ですが『シン・ゴジラ』では各国からの全面的復興支援と引き換えに、作戦の決行を容認します。

ですがやはり東京に核を落とすなんてマネはできない、となんとか血液凝固剤による凍結作戦を決行します。これがデコイによってゴジラに総攻撃をしかけ、放射能のエネルギーが切れて活動停止したところを、口から直接血液凝固剤を投与するというもの。このとき、数台のクレーン車でゴジラの口に薬を投与するシーンは新手の介護かと思いましたよ。

そして薬は効果を発揮し、ゴジラは前進が凍りついて活動停止し、人類が勝利を収めるのでした。

最後にゴジラのアップが映されてエンディングを迎えるのですが、そのシーンが謎でした。おそらくゴジラは溶けだして、皮膚や肉が剥がれおち、骨がむき出しになっているところのアップなのでしょうが……

そこから人の腕や頭蓋骨が突き出しているんですね。あれはどういう意味だったんだろう。ゴジラに踏みつぶされた人間が核で溶けてゴジラに吸収されたって意味なのかな?

あるいはゴジラ自身が人間やそのほかの生物が混ざり合ってできてるってこと?

もしくは核の被害者の多くが人間であることを表現したかったのか?

うーん。ここだけ謎でした。

総合的な評価としては観る価値大いにあり! というか観るべきです!

「ゴジラ=核の脅威」という初代のテーマを存分に内包しているのですから。

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