ドラマ【キャッスルロック】からひも解くスティーブン・キングの世界をご紹介

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J・J・エイブラムズが手掛けるスティーブン・キングの【キャッスルロック】をご紹介

【キャッスルロック】とはスティーブン・キングが創作し、スティーブン・キングの小説にたびたび登場する架空の町の名前です。その町を舞台にJ・J・エイブラムズによる製作総指揮のもとテレビドラマが制作されました。

それが【キャッスルロック】です。町の名前が表題となっている通り、【キャッスルロック】を舞台に物語が繰り広げられます。製作総指揮にはスティーブン・キングも名を連ねていますが、どれだけ関わっているかは謎です。

【キャッスルロック】のあらすじを少しご紹介

ショーシャンク刑務所の所長であるレイシーが自殺し、新たな所長が就任するともう何十年と使われていないF棟の探索が行われる。なんとそこで発見したのは貯水タンクの中に監禁されていた謎の青年だった。

謎の青年が口にしたのはヘンリー・ディーバ―という弁護士の名前。導かれるようにしてキャッスルロックに舞い戻ったヘンリーは27年前に行方不明になり、数日後に忽然と姿を現しますが、その時一緒に消えた父親が死ぬという事件を起こしています。

そして青年が現れた日から、キャッスルロックで再び陰惨な事件が起こり始めたのです。なぜヘンリーは呼ばれたのか、青年の正体は何者なのか、謎が謎を呼ぶサスペンスホラーです。

リンクするスティーブン・キングの世界

ドラマ『キャッスルロック』の舞台となった町キャッスルロックの生みの親はもちろんご存じスティーブン・キングです。メイン州にあるこの田舎町は『スタンド・バイ・ミー 』をはじめ、多くの作品の舞台となっています。

ジョージーとピエロでお馴染みの『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の原作もスティーブン・キングです。ただし、こちらの舞台は同じくスティーブン・キングが創作したメイン州にあるデリーという町が舞台でした。

同じく映像化された『ダーク・タワー』がキング世界の中心となっており、キングの世界を語るにはこの『ダーク・ワター』を通らねばなりません。いわば必読書のようなものです。例えば『不眠症』という作品は『ダーク・タワー』のスピンオフのような作品となっています。

スティーブン・キングの作品に登場する舞台キャッスルロックをご紹介

ドラマ『キャッスルロック』はキャッスルロックが舞台なのですから、『キャッスルロック』というタイトルがついているわけです。このキャッスルロックといのがキングが創造した架空の町であり、忌まわしき秘密を抱えています。それではスティーブン・キングの作品ごとに町を見て行きましょう

デッド・ゾーン

デッド・ゾーン 』はキャッスルロックを舞台とした初めての作品です。事故の影響で他人の死に関する未来が見えるようになった高校教師がアメリカを巻込む大参事を未然に防ぐために孤独な戦いに挑む内容となっています。この時、キャッスルロックでは凶悪な連続殺人犯が猛威を振るっており、デッド・ゾーンの力で犯人を特定する手助けをしています。

スタンド・バイ・ミー

『スタンド・バイ・ミー』は映画にもなり、元ドリフターズのメンバーであるベン・E・キングによる同名曲も有名になりました。原題は「The Body」で死体という意味です。

『スタインド・バイ・ミー』は電車に轢かれた子供の死体を身に行くという旅に出ながら、子供なりの悩みなどと向き合い成長していく物語です。またテーマとして中学生に上がる前の友情ほど綺麗な友情はもう得られないという大人の寂しさというのもあります。

この映画の成功をきっかけに、キャッスル・ロック・エンターテイメントが設立されました。この作品の中にもキャッスルロックで起こった色々なできごとが語られていました。

ニードフル・シングス

ドラマ『キャッスルロック』に登場する場所をご紹介

ショーシャンク刑務所

ショーシャンク刑務所といえば映画『ショーシャンクの空に』であまりに有名ですよね。大々的に舞台となったのはこの『ショーシャンクの空に』と今回のドラマ『キャッスルロック』ですが、他の作品でも度々、言及されています。
 
『キャッスルロック』ではショーシャンクの所長が死に、監禁されている青年が見つかった重要な場所です。その後、看守や青年が物語を繰り広げます。キングの世界ではとても重要な役割を持っている場所なんです。

ジュニパーヒル精神病院

 
ショーシャンクと並んでたびたびキングの作品の中で言及される施設がジュニパーヒル精神病院です。今回『キャスルロック』で大々的に登場しますが、そのほとんどが「いい子にしてないとジュニパーヒルに入れられるぞ」などの噂程度でした。
 
しかしこのジュニパーヒル精神病院がキング作品においてショーシャンクと同じように特異点となっていることは明らかです。『IT-イット-』にてイジメっ子の筆頭だったヘンリー・バワーズが収容されることになったのもジェニパーヒル精神病院なのです。

セイラムズ・ロット

ドラマ『キャッスルロック』でセイラムズ・ロットの名が登場したときは思わず「あっ」と言ってしまいましたね。まさかあの土地まで出てくるとは思わなかった。セイラムズ・ロットとはキング2作目小説『呪われた町』の舞台です。
 
ドラマ『キャッスルロック』ではヘンリーの息子のウェンデルがキャッスルロックに戻るためにバスから降りた土地です。『呪われた町』とはひっそりと人間のフリをしてエルサレムズ・ロット(町の人は親しみを込めてセイラムズ・ロットの愛称で呼ぶ)にやってきて、ゆっくりと町の人間を恐怖に蝕むという内容になっています。
 
『呪われた町』にはキャラハン神父という登場人物がいます。吸血鬼に果敢にも立ち向かうわけです。このキャラハン神父のその後が『ダーク・タワー』で描かれます。そこでもキャラハン神父は重要な役割を果たすのです。セイラムズ・ロットとはキングの作品において重要な土地のひとつになっています。
 

オープニング映像に散りばめられたスティーブン・キングの小ネタをご紹介

Chapter19

ドラマ『キャッスルロック』のオープニングにはスティーブン・キングが書いた小説の断片らしきものが映し出されます。そのひとつに「Chapter19」の文字が。数字の「19」といえばキングにとって重要な数字です。
 
というのもキングが小説『ダーク・タワー』の構想を始めたのが19歳のときでした。なので「19」という数字が『ダーク・タワー』に登場します。主人公のローランドいわく、良くも悪くも力強い数字だそうです。
 
黒衣の魔導師は「19と唱えれば死の向こう側にある秘密を知ることができる」という罠を仕掛けます。映画版『ダーク・タワー』にも登場したタワーを守護するビームを壊すための本拠地の番地が「1919」だったり、「19」という数字がキング作品と密接に結びついているのです。

グリーンマイル

オープニングには小説『グリーンマイル』に使われた章が2つ登場します。その1つが「The two dead girls 13」です。直訳すると「死んだ2人の少女」。『グリーンマイル』の発端とたなった少女2人が殺害された事件です。ジョン・コーフィはこの2人の少女の命を助けようとして、犯人に間違われて投獄されることになります。
 
そしてもう1つが「The Mouse on the Mile 75」です。直訳が「グリーンマイルのネズミ」。Mr.ジングルスのことですね。悪い看守のパーシーに踏みつけられ、ジョン・コーフィが不思議な力によって癒しています。どちらの章も『グリーンマイル』にとって象徴的な名前となっているのです。
 

「They flow」

 
みんな浮かんでるよ」のセリフは小説『IT-イット- 』でペニーワイズが決め台詞のように口にする言葉です。「君も浮かべるんだ」は子供たちを死者の仲間入りさせるような暗示になっています。とても恐ろしい台詞ですね。
 
オープニングシーンには他にもマップ上にデリーの文字が描かれています。このデリーというのがスティーブン・キングが創造した架空の町であり、『IT-イット- 』の舞台ともなっています。ペニーワイズの正体についてもキングの壮大な構想の中にある光と闇と対決にとって非常に重要な位置を持ったキャラクターです。
 

「Redrum」

 
「Redrum」は小説『シャイニング』に登場するワードです。この言葉は発狂する父親ジャック・トランスの息子で、輝きという力を持ったダニーが発していました。その言葉を鏡越しに見ると「Murder」となり、「殺人鬼」を意味する言葉です。ダニーもまたホテルに憑りつかれていたのです。また『シャイニング』の中で重要となった「217号室」の文字も登場。
 

ミザリー

『ミザリー』といえばスティーブン・キングの書いた小説ですが、「ミザリー」シリーズといえば作中に登場するポール・シェルダンの作品群です。シェルダンは主人公のミザリーを殺してシリーズを終えたことで、監禁され続編を書く強要をされることになりました。
 

ドラマ『キャッスルロック』に登場するキングの創造物たちをご紹介

ドラマ『キャッスルロック』の第1話が始まり、いきなり登場したアラン・パングボーン。キングファンにとってはお馴染みの人物ですね。その登場の仕方も憎い。若い保安官の姿で登場した彼の胸元にパングボーンのワッペンが映し出されるんですね。これでビクッとこないキングファンはいないはず。
 
このアラン・パングボーンはドラマ『キャッスルロック』でも重要な役割を担っていましたが、彼が出てるどの作品においてもアラン・パングボーンという人物は重要です。『ダークハーフ』では暴力的小説を書いていた別ペンネームが生き返って殺しを始めた作家の対決を見守りました。
 
そしてキャッスルロックの終焉を描いた『ニードフル・シングス』ではキャッスルロックを破滅に陥れんとした悪魔リーランド・ゴーントさんと直接対決をして、勝利を得ています。それだけアラン・パングボーンとはキングの小説世界において重要な人物なのです。
 

ドラマ『キャッスルロック』でのアラン・パングボーン

ドラマ『キャッスルロック』でのアラン・パングボーンは27年前にヘンリー・ディーヴァ―を保護したという重要な役でした。現在ではヘンリーの義理の母であるルースと付き合っています。『ニードフル・シングス』の時には関節炎を患っているポーリーと付き合っていましたが、この世界でのアランはリーランド・ゴーントとは出会っていないのだろうか。
 
そして衝撃的なことにこのアランが死んでしまいます。衝撃的な展開過ぎる。またぞろ今回も悪と対決する重要な役割だと思っていたところで、突然の退場だったので驚きです。原作者のスティーブン・キングはこの事態を許可したのだろうか?
 

ジャッキー・トランス

 
何かと事件の匂いに首を突っこんでくる娘はなんとジャック・トランスの姪です。ジャック・トランスといえば『シャイニング』の主人公でオーバールックホテルに憑りつかれ、息子であるダニーを殺そうとしました。本名はダイアン。叔父のことやオーバールックについても言及している。
 
このジャッキー・トランスことダイアンであるが、スティーブン・キングが書いたどの作品にも登場しません。ドラマ『キャッスルロック』だけのオリジナルキャラクターなのです。彼女は続編で何かしてくれそうですね。
 

シシー・スペイセク

シシー・スペイセクはルース・ディーヴァ―を演じた女優です。ルース自体はドラマ『キャッスルロック』のオリジナルキャラクターですが、シシー・スペイセクはブライアン・デ・パルマ版の『キャリー』でキャリー役を務めていました。
 

メラニー・リンスキー

メラニー・リンスキーもまたキングの他の作品に出演しています。ドラマ『キャッスルロック』での役どころはヘンリーの幼馴染のモリーです。本題の他作品というのがいわくつきの屋敷を舞台にした『ローズレッド』でした。『ローズレッド』でメラニーは自閉症で特別な力を持った妹を持つ姉という役どころに挑戦しています。

ビル・スカルスゲールド

ビルはドラマ『キャッスルロック』でショーシャンク刑務所にて発見される謎の青年役に挑みました。謎多き人物で、彼と関わることで憎しみや憎悪に人々が飲み込まれる様子が見られます。スティーブン・キングのホラーにおいて怪奇の中心にいる人物です。

このビル・スカルスゲールド、実はリメイク版『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』でペニーワイズ役を演じていたのです。ティム・カリー版のオヤジ臭さもおぞましかったですが、ビル版のイケメン、ペニーワイズも怪しさ満点で怖かったです。

キング作品に登場する怪異をご紹介

周期の27年

スティーブン・キングの作品の中では大災害が27年周期で起こっています。『It-イット-』ではデリーの町でペニーワイズより大災害が27年周期で引き起こされていました。そして子供たちがペニーワイズと対峙して27年後、デリーの町に舞い戻り、大人になった子供たちが故郷であるデリーに戻り、約束通り再びペニーワイズとの戦いに挑むのです。

『ダーク・タワーV:カーラの狼』では人狼のようなロボットが27年周期に襲来します。そこは双子ばかりが生まれる町で狼たちは双子の片割れだけをさらい、デクのように成長しても中身は子供のままなルーントと呼ばれる存在にしてしまうのです。

深紅の王(クリムゾン・キング)

スティーブン・キングの世界で起こる災厄の中心にはこのクリムゾン・キングがいます。『ダーク・タワー』では多次元の中心にそびえる暗黒の塔を破壊して世界の滅亡を企てていました。そして『不眠症』では『ダーク・タワー』でクリムゾン・キングの脅威となるパトリック・ダンヴィルを子供のうちに殺そうとしました。

クリムゾン・キングは多くの手下を従えており、キングの作品で起こる怪異のほとんどがクリムゾン・キングの勢力に属しているのです。その中のひとりがウォルター・オディムです。『ダーク・タワー』に登場するこの黒衣の男は、『ザ・スタンド』ではランドル・フラッグという男として現れています。

クリムゾン・キングは蜘蛛の王と揶揄される通り、その息子である父親殺しのモルドレッドも蜘蛛の形をしていました。この場合の父親とは『ダーク・タワー』の主人公ローランドであり、クリムゾン・キングではありません。モルドレッドには父親がふたりいるのです。それと同時にスザンナとマイラというふたりの母親がいます。そしてこのクリムゾン・キングは紅いチェスの駒としてドラマ『キャッスルロック』にも登場しています。

希薄

希薄とよばれる超常的な物が『ダーク・タワー』に登場します。初出は第4章の「魔導師と水晶玉」で、子供の頃のローランドはこの希薄を使って敵の軍勢を打ち倒していました。この希薄というのが空間の壁が擦り切れてしまっている部分で、別の世界軸とつながっています

それは時として扉の姿で現れますが、大抵の場合はウンウンと唸っている空間の擦り切れのような姿をしています。この希薄というのがはっきりとその名で言及されませんが、ドラマ『キャッスルロック』に登場します。それはふたりのヘンリー・ディーヴァがお互いの世界から通ってきた場所です。

27年前にショーシャンクで見つかった青年の世界に迷いこんだヘンリー(黒人で養子に取られた少年)を追って、ショーシャンク刑務所で見つかったヘンリー(白人でディーヴァ―家の本当の子供)がやってきたところ、悪魔と間違えられて所長に捕まってしまったのが真相でした。

そして元の世界に帰らないといけないと主張する白人ヘンリーが向かった森で聞こえるウンウンという唸り声の正体こそ、別次元へと通じる希薄そのものだったのです。ちなみに希薄は声を持っており、人に語りかけます。そして催眠術にかかったようにその人は希薄へと向かって行ってしまうのです。

ドラマ『キャッスルロック』で語られた凄惨な事件

ドラマ『キャッスルロック』ではナレーションでいくつもの凄惨な事件が起きていると説明されています。線路脇で少年の死体が見つかった年は『スタンド・バイ・ミー』のこと。たびたび噂に出てくるキャッスルロックの絞首魔とは『デッド・ゾーン』で主人公の能力によって炙り出された連続殺人鬼のことです。

また語られる狂った犬とは狂犬病にかかり親子を車に閉じ込めた苦しめたクージョ』のことでした。このようにキャッスルロックを舞台にしたキングの作品で起きたできごとの多くがドラマ『キャッスルロック』で語られているのです。

ショーシャンクで見つかった青年(別世界のヘンリー・ディーヴァー)の正体とは?

ドラマ『キャッスルロック』がスティーブン・キングの描く恐怖の流れを汲んでいると考えれば、キングがこれまでに書いてきた作品の中にその正体が隠れていることがわかります。別世界のヘンリーの行動を見れば、彼の正体がわかりそうです。

現実世界のヘンリーによってショーシャンク刑務所の貯水タンクの中での監禁生活に戻されてしまった別世界のヘンリー。ですが彼はドラマの最後で意味深な笑顔を浮かべます。まるで企みが成功したかのよう。やはり悪しき何かだと思うのが当然でしょう。

青年の行動からその正体を読み解く

それは「タック」と呼ばれる存在です。「タック」はキングが書いた『デスペレーション』に登場します。狂った警官がハイウェイを通る人々を捕まえ監禁し、暴力で殺していくという内容です。この警官というのが「タック」に乗り移られ、悪行を繰り返しながら体がボロボロに崩れていきました。

キングはリチャード・バックマン名義で『レギュレーターズ』という本を書いています。これは『デスペレーション』の裏の顔となっている作品で、「タック」が特別な力を持つ自閉症の少年に乗り移り、その少年の能力でおもちゃのギャング団を生み出して町の住人を虐殺しようとしたのです。

「タック」も念力で人を狂わせて殺し合う能力を持っており、別世界のヘンリーが見せた能力と一致します。「タック」はキングの世界のあちこちに登場して悪さをしており、別世界のヘンリーの正体がこの「タック」でもおかしくありませんね。

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