【ファインダーズ・キーパーズ】文学愛あふれたキング初ミステリー第2弾

文学を愛する人たちのための【ファインダーズ・キーパーズ】

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ファインダーズ・キーパーズ 上 (文春文庫) [ スティーヴン・キング ]
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奪われた未発表のノートを巡る物語。隠居生活を送る文学界の重鎮の死と、過去の犯罪者、そして現在の少年3つ人生が混ざり合う様子はまさに極上の文学。そして著者のアメリカ文学愛によって、読者がそれぞれの文学愛を再認識させられる極上の文学でした。

スティーブン・キング初のミステリーというよりはサスペンスだった『ミスター・メルセデス』の第2弾。少年と犯罪者が邂逅するにつれて、事態は緊迫し、ホッジズたちも奔走する! だけど本当に面白いのは犯罪者と少年の過去と現在が交差していく前半でした。

文学愛あふれる2人の物語

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【ファインダーズ・キーパーズ】は文豪から金と未発表のノートを奪った犯罪者と、その犯罪者が隠したノートを発見した少年の文学愛を描く物語で始まる。隠居生活をしていた小説家ジョン・ロススティーンを殺し、金を奪ったモリス・ベラミー。モリスが金と共に奪ったロススティーンの幻の原稿ノートを見つけた少年ピーター・ソウバーズ。このふたりを翻弄するノートの存在がすごい。文学の影響ってすごいと思える作品だった!

モリス・ベラミーはモリス・ベラミーでロススティーンの文学に傾倒し、アウトロー的英雄だったジミー・ゴールドが家庭を持って腰を落ち着けたことに憤慨している。これをベラミーはロススティーンの裏切りだと思い、作家を殺してしまう。ゆえにジミー・ゴールド物の続編として奪ったノートに文章が書き連ねられているのを見て、ベラミーはジミーが復活すると興奮する。しかし酔った勢いでやらかして、逮捕されてしまう。

30年後、ベラミーの隠したノートをピーター・ソウバーズが発見するわけだが、彼もまた作家ロススティーンに傾倒していた。そしてノートを巡ってお互いに戦うわけだけど、これはジミー・ゴールドを巡る善と悪の戦いだ。

ジミー・ゴールドを愛する悪モリス・ベラミー

モリス・ベラミーがジミー・ゴールドに傾倒するのにはわけがある。母親は文学に精通する教授で、息子に対する愛情はどこか冷たい。自分の知識の高さからか息子を正論で押さえつけるきらいがある。それに対してベラミーは反抗して、アウトローのジミー・ゴールドに傾倒し、品行の悪いいわゆる不良になる。

それにとどめを刺したのが母親とのジミー・ゴールドに関する見解。母親はロススティーンの作品をあまり好ましく思っていないようだが、理解はベラミーよりしている。「家庭と仕事に腰を落ち着かせることによって、作家がジミーを殺した」というベラミーに対して、お前は作品のメッセージを理解していないと一蹴してしまう。自分の理想とする文学が自分の望む方向に行かなかったときの憤りを感じたことのある人は多いのではないだろうか。

ジミー・ゴールドを愛する良き少年ピーター・ソウバーズ

ベラミーの埋めたロススティーンのノートと金を拾ったのがピーター・ソウバーズ。彼は職を失いミスター・メルセデスの事件に巻き込まれた父親から、家庭が窮地に陥るのを救うために少年はその金を使う。違法かもしれないが、褒められる行動でもある。その金が尽きたことで、ノートを売ろうとするがそのせいでベラミーの魔の手がピーターに襲い掛かる。

ノートを独り占めしたいベラミーに対して、多くの人に広めるべきたと考えるピーターとの対決が熱い。まるでふたりの文学に対する愛がぶつかり合うようで、ああ読んで良かったなと思った。

ホッジズたちの活躍も?

ホッジズたちも出てきて活躍するが、登場するのも上巻の最後のほう。まあ、あくまでも主人公はベラミーとピーターだから、どっちかというと脇役として見ていた。というのも対決はベラミーとピーターだけで十分見ごたえたあった。それを少年を助けるためにピーターを追跡したり、対決現場を探し出してピーターを救い出していたりと、前作主人公たちの活躍もたのしめた。

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