ミルクマン

引っ越し記事

近道探し、抜け道探にし熱中するトッド夫人はついに地図上の直線距離より短い道を発見した!―しかしそれは木々が怪しくざわめき見たこともない動物がひそむ異世界だった。―「トッド夫人の近道」。秋のだれもいない保養地の湖で大学生たちをひとり、またひとりと襲う怪物の静かな恐怖「浮き台」。ヒッチハイク中の青年の目の前にあらわれ、彼を殺人へと駆り立てる謎の女「ノーナ」など、モダン・ホラーの王者キングが独自の幻想世界を妖しく描いた傑作短編集『スケルトン・クルー』完結編。 

「ミルクマン1(早朝配達)」
「ミルクマン2(ランドリー・ゲーム)」
どちらも死を運ぶ牛乳配達の話。「早朝配達」の方は牛乳配達が毒物の入った牛乳を届けるだけのシンプルな内容。「ランドリー・ゲーム」は低所得者の人たちの悩みが延々と読める内容。最後には妄想の中で暴走して死んでしまう登場人物たち。よくわからなかったが、関わるとろくなことにならないミルクマンという存在が不気味で怖いと思える作品でした。

「トッド婦人の近道」
車でバンゴアまでの道のりを最短で行けるルートで探し続けるトッド婦人の話。その近道には恐ろしい未知の生物たちが存在しており、そこをある種の女神となって疾駆する女性の神々しい姿が描かれている。失踪したり、若返ったり、旅に出たり以外に神秘的な内容でした。

「浮き台」
大学生のカップル2組が冬の近づく秋のそれも朝方に、浮き台まで泳いでいくという話。で、湖にういていた油のような物体が人を啜るように喰う。でも物語の大半はこのカップルたちの微妙な距離感について書かかれていた。それが何よりもちょっぴり絶望的だった。それにしてもこの油のよう生物の表面には言葉では言い表せない色があり、ラヴクラフトの「宇宙からの色」を思わせました。

「ノーナ」
ノーナという女に惹かれ、道中で人を殺しまくった男の話。一人称の手記というかたちで、「壁の中の音に我慢できない」とこれを書いている男が狂っている描写が最後に出てくる。この手腕はラヴクラフト作品を思い起こさせ、古典ホラーをうまく模倣した作品のように思えました。

「ビーチワールド」
砂の星に不時着した宇宙飛行士の物語。SFだけどホラーの要素も混ざっていて、新鮮な感覚がする作品。とにかく未知の世界全体をホラーにすることで、理不尽な怖さが伝わってくる作品でした。それと同時に冒険もののワクワク感も感じられて不思議な作品です。

「オーエンくんへ」
美しくも可愛げな文体で、さらっと恐ろし気なことが書いてあって面白い詩だと思いました。やっぱりスティーブン・キングだな、という表現もありました。

「生きのびるやつ」
密輸しようとした麻薬と一緒に小島に漂着した医師の手記。「助けが来たらすぐに処分する」と書かれたものが読めているということは……。生きのびるために自分の体を切断して食べていく様子が恐ろしい。日付の書き方や、わけのわからない文章で男の気が狂っていく表現が恐ろしかったです。そして表題とはうらはらに生きのびられなかったという真実。

「おばあちゃん」
寝た切りでいまにも死にそうなおばあちゃんと留守番する少年の話。子供の産めない体なのに産めるようになった本、そしてヨグ=ソトースを連想させる音を発するところで、クトゥルフ神話系だとわかり、ワクワクした。自分の父親もハスターだったらなあ。

「入り江」
幽霊が人を愛するのか? というテーマは素敵だった。けど前までは入り江はもっと広かったと話すステラを中心に時勢があっちこっち言ったりするのがわかりにくかった。作品が恐怖か救いなのか色々考えてしまう作品でした。

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