【戦神/ゴッド・オブ・ウォー】遠い中国の地で見せた日本人魂

ちゃんとした日本人俳優たちがちゃんとした日本人を描いていた『戦神/ゴッド・オブ・ウォー』

だいたい海外の映画に出てくる日本人って、こいつ日本人じゃないだろってヤツが、変なイントネーションや発音の日本語しゃべってて違和感だらけだけど、違和感はなかった。それもそのはず、ちゃんとした日本人俳優が出ていたから。

まず目に留まったのは小出恵介。倭寇に扮して中国から藩の活動資金を得るという使命を持ってきた若役。演技はまあ、悪くはなかった。顔が良いだけに妙な存在感は放っていたかな。でも色付け役の枠を飛び出せない演技はもっと勉強してもらいたい。

次に若を守るために倭寇に扮する武士たちを率いるおじいちゃん。調べたら、倉田保昭といって、ブルース・リーにヌンチャクを渡した凄い人らしいです。いやあ、演技の方は渋い。後述しますが、流石はアクション俳優でした。

浪人たちのたたずまいがかっこよかった『戦神/ゴッド・オブ・ウォー』

武士たちは被害を最小限に抑えるために浪人たちを雇って前線に立たせていました。この浪人たちが輩で、略奪やらレイプやらやりたい放題。でも刀を持っただらしないたたずまいがやけにかっこいいですよね。

中国側にもそれなりのドラマがあった『戦神/ゴッド・オブ・ウォー』

中国側のストーリーも日本側のストーリーも丁寧に描いていた『戦神/ゴッド・オブ・ウォー』ですが、日本にもドラマを与えていたことには驚きですが、中国側のドラマもなかなかでした。

とくに政治不信と倭寇になかなか勝てない焦りが表れていましたね。製作に関わったサモハン・キンポーの役も名将と呼ばれていますが、倭寇との戦いを進展させられずに罰を与えられたりします。

主人公も主人公で英雄視されながら、お上への不信を口にして反感を買ってしまうなど、ドラマがありました。熊澤との策の読みあいも面白かったし、いかに被害を抑えて勝つかという作戦も人間臭くて良かった。

ただし戚継光の妻が好きになれなかった『戦神/ゴッド・オブ・ウォー』

主人公である戚継光の妻が夫を厳しく諫める良妻キャラの雰囲気を出しておきながら、ただのわがままに見えてあまり好きではなかった。ちょっとのことでつんとして口を聞かなかったり、部下の前で恥をかかせたりと。でも完璧妻ではなく、人間味もあってそれはそれで面白かった。

とにかく最後の殺陣を見て欲しい『戦神/ゴッド・オブ・ウォー』

やはり日本人に観て欲しい本作の見どころはなんといっても、倉田保昭演じる熊澤による殺陣でしょう。戚継光に砦を突破された時に被害を最小限にとどめるためにすぐに撤退を決意したり、完璧防御の相手の攻めを押し返したりせずその場で防御して相手の疲弊をまったりとなかなかの策士だった熊澤。

最期は藩の未来を託して若を逃がし、自分ひとりで戚継光と対決する姿に漢の意地を見た。まあ、その時の殺陣が素晴らしい。見た目おじいちゃんなのに、いったいいくつなんだ? と思いたくなるような素晴らしい動き。そしてさすが日本刀の切れ味。

この殺陣を観るだけでも『戦神/ゴッド・オブ・ウォー』には一見の価値があると思います。戚継光に名を聞かれたときも、ただの倭寇だと名乗らずに切腹する姿はベタな展開だけどアッパレ。名もなき倭寇を貫いた藩の人間は最初から最後まで一貫していて良い描き方でした。

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