続・ドラマ『キャッスルロック2』からひも解くスティーブン・キングの世界をご紹介

目次

スティーブン・キング創造の町キャッスルロック再び

J・J・エイブラムスによって再現されたスティーブン・キングの世界――それがドラマ『キャッスルロック』。スティーブン・キングといえば過去作からの設定やキャラクターを新たな小説に反映させることで有名です。『キャッスルロック』にもそんなファンに嬉しい要素が散りばめられており、大反響となりました。

本作『キャッスルロック2』でもそんなスティーブン・キング好きにはたまらないファンサービスが盛り込まれています。キングの小説をいっぱい読んできた観点から、『キャッスルロック2』に織り込まれているキング作品の要素を解説していきます。

1話 Let the River Run

アニー・ウィルクス

今回の主人公のアニー・ウィルクス。『ミザリー』で作家のポール・シェルダンを監禁した狂気の女です。映画版ではキャシー・ベイツが演じてアカデミー賞を獲得しています。今回も彼女は問題を抱えているようで、その活躍に期待大大大です。

エンポーリアム・ガローリアム

ティム・ロビンス

ティム・ロビンスといえば映画版『ショーシャンクの空に』で無実の罪で捕まった銀行家のアンドリュー・デュフレーン役でスティーブン・キングの世界に重要な俳優となりました。今回の『キャッスルロック2』ではエンポーリアム・ガローリアムの主人役。『サン・ドッグ』のポップ・メリルといえば人の好さそうな弱々しいお爺さんという感じですが、今回は犯罪組織のボスで屈強そうで怖そうな役だ。

キャッスルロック2』ではポップ・メリルは自身の初登場シーンでポラロイドカメラを直していました。このポラロイドカメラは『サン・ドッグ』では重要なアイテムとして出てきます。主人公のケヴィン・デレヴァンが15歳の誕生日のお祝いもらったポラロイドカメラは映すたびに謎の犬が被写体として現れ、その犬はそのポラロイドカメラで写真を撮るごとに撮影者に向かって近づいてくるのです。はたして写真の中の犬が撮影者を捕らえたとき何が起こるのでしょうか?

エース・メリル

エース・メリルとはスティーブン・キングの作品に度々登場する不良グループのリーダー。『スタンド・バイ・ミー』では主人公たちと死体を巡って直接対決します。他のキング作品にも噂話などなんらかの形で登場することが多いキャラクターです。

オキシコンチン

病院での会話でオキシコンチンという薬が出てきましたが、オキシコンチンといえば『ドリームキャッチャー』でダディッツが常用していた薬です。

セイラムズ・ロット

セイラムズ・ロットといえば『呪われた町』で吸血鬼騒動が起こった町ですが、魔女の町で知られています。『キャッスルロック2』では魔女狩りというキーワードが登場。一体それがこの世界で何を意味するでしょうか。

タック

セイラムズ・ロットにてアニーが落ちた穴から解き放たれたものは果たしてタックだったのでしょうか。前回の考察でヘンリーの正体はタックではないかと言及しましたが、地の底から湧き出してきたこれもタックっぽいです。

もうタックを探さずにはいられない! しかし『キャッスルロック2』の第1話では前作の登場人物は出て来なかったですね。また別の世界線の話なのか、今後になって前作のストーリーが絡んでくるのか、目が離せません!

解説からのキーワード:アニー・ウィルクス

ミザリー』でのアニー・ウィルクスは元看護師という役でしたが、『キャッスルロック2』ではかなり若く、現役の看護師として登場しています。精神に異常があり、薬を盗んではあちこちを逃亡しています。過去に誰かを殺したことにより逃亡生活を始めていますが、解説でも誰を殺したのかと謎を提示しており、このできごとが今後の物語に大きく関わってきそうです。

2話New Jerusalem

マーステン館

穴に落ちたアニー・ウィルクスが抜け道を探して出て来たところがマーステン館でした。『呪われた町』はセイラムズ・ロットにあるマーステン館を購入した謎の人物が引っ越してくることにより始まっています。そして仲間を拡大していく恐ろしい吸血鬼の拠点ともなっていた館でした。

キャッスルロック2』でマーステン館は廃墟となっており、麻薬常習者が不法滞在しています。しかしその麻薬常習者が館で殺され、そのマーステン館で正体不明の謎の殺人者が蠢いていており、その正体が気になります。

ナンズ・ランチョネット

ポップ・メリルの回想シーンで彼が引き取ったソマリア人のアブディとナディアに振舞ったポテトとミルクシェークの店はナン・ロバーツという女性が経営しています。この店は『ニードフル・シングス』や『ダーク・ハーフ』に登場します。

解説からのキーワード:エルサレムズ・ロット

スティーブン・キングの長編小説第2作『呪われた町』の舞台。エルサレムズ・ロットもしくは、セイラムズ・ロットの愛称で知られています。エース・メリルの死体が接触したミイラはマーステン館を根城にしていた吸血鬼なのだろうか。

3話Ties That Bind

「死体探しに行かない?」

ジョイが友達から言われた言葉ですが、死体を探しに行くといえば、『スタンド・バイ・ミー』ですね。『キャッスルロック2』で言われた死体とはエース・メリルのものですが、エースといえば『スタンド・バイ・ミー』の登場人物。因果ですね。

アニー・ウィルクスの監禁

アニー・ウィルクスといえば『ミザリー』では愛読書の作家を自宅に監禁したことで有名ですね。その理由も愛読書の主人公が死んだため、生き返ってカムバックする小説を書かせるという無茶ぶりをするため。

そのアニーがなんと『キャッスルロック2では監禁されてしまいます! それもこれも自分が殺したはずのエース・メリルが戻ってきたため。アニーはジョイにエース・メリルを殺してしまったことを告白しすると、娘のジョイはアニーが気が触れて妄想を現実だと思い込んでいると思ったのです。

ジョイの父親

アニーはジョイの父親は悪人でその男から逃げていると言っていました。キングの作品に登場する悪人の男といえば、ランドル・フラッグを思い起こしますが、彼は色々な名前で登場するキングの常連です。そして人間ではありません。アニーが逃げているジョイの父親とはこのランドル・フラッグの別の姿でしょうか。まさかポール・シェルダンってオチはないよね?

解説からのキーワード:ジョン・エース・メリル

スタンド・バイ・ミー』の登場人物であることは散々語ってきましたが、この解説によると『ニードフル・シングス』にも再登場しているとのこと。パングボーンは覚えているけど、エースは覚えてなかったなあ。

4話Restore Hope

吸血鬼?

エース・メリルがなったものは着実に仲間を増やしていますが、なにやら吸血鬼とは別の存在の気も。吸血鬼は血を吸いながら仲間を増やしますが、エース・メリルの軍勢は殺しながら死者をあるものへと変化させているよう。あのヌメヌメの物体タックなのだろうか? そして地下にあった棺のミイラは前回に登場していたヘンリーなのだろうか。

フォード・ピント

フォード・ピントといえばスティーブン・キングの作中に登場する象徴的な車種です。『クージョ』で母子が閉じ込められた車として登場していますが、スティーブン・キングの処女作である『キャリー』が初登場です。

Caveat Emptor

エンポーリアム・ガローリアムの店内に「Caveat Emptor」の張り紙が置かれています。買い手の責任を意味するこの文字は『ニードフル・シングス』の舞台となったある店に置かれていた標語です。リーランド・ゴーントさんが経営するその店では訪れた人が喉から手が出るほど欲しくなる品物が必ず置いてあります。リーランド・ゴーントさんはそれを格安で提供する代わりに、ある取引を持ち掛けるのです……

解説からのキーワード:アップルトン牧師

アップルトン牧師は前作の『キャッスッロック』に登場したキャラクター。解説では前作と今作のキャッスルロックが同じ町であることを言及していましたが果たして物語はどうつながるのでしょうか。今回のはどっちかというとJ・J・エイブラムズの世界のような。アップルトン牧師ってキングの小説にも出てきたっけ? セイラムズ・ロットで牧師といえばキャラハン神父だけどね。

5話The Laughing Place

解説からのキーワード:ポップ・メリル

サン・ドッグ』に登場する人物。『ショーシャンクの空に』のティム・ロビンスが演じている。『キャリー』のオリジナルでキャリー役を演じたシシー・スペイセクが、『IT』のリメイクでペニー・ワイズ役を演じたビル・スカルスゲイドが『キャッスルロック』に起用されたことを言及していました。

6話The Mother

飛び交う虫

エースら変わってしまった者たちが登場するシーンには大きくて気味の悪い虫が飛び交っている。そういえばタックは小動物たちを操っていた(ミ・ヒム・エンタウ)けど、それと関係があるのだろうか。

解説からのキーワード:バナーマン

ジョージ・バナーマンという保安官がキングの小説に登場しますが、『キャッスルロック2』にスティーブ・バナーマンと名乗る警官が登場します。番組の解説では彼がジョージ・バナーマンの血縁者ではないかと考察していました。

7話The Word

ティム・ロビンスがショーシャンク刑務所に!

キャッスルロック2』ではポップ・メリル役を演じているティム・ロビンスですが、『ショーシャンクの空に』では無実の罪で服役を強いられた銀行家のアンドリュー・デュフレーンを演じていました。ショーシャンク刑務所に閉じ込められていたわけですね。そしてデュフレーンはショーシャンク刑務所から脱獄します。

そんなティム・ロビンスが演じるポップ・メリルが用事でショーシャンク刑務所へ行くのです。ティム・ロビンスのショーシャンク刑務所への帰還はファンなら叫び声をあげてしまうほど嬉しいシーンでしょう。

エルサレムズ・ロット

スティーブン・キングの短編集である『深夜勤務(ナイト・シフト)』にはこのエルサレムズ・ロットを題材にした『呪われた村』という短編が収録されています。

ヘンリー=ランドル・フラッグ?

400年前のセイラムズ・ロットで人々に啓示を与えた天使の正体がヘンリー(?)であることが判明。その風貌も黒衣の外套をまとっていました。黒衣の男といえば、『ダーク・タワー』に登場した主人公ローランド・デスチェインに対抗する悪い魔導師です。『ダーク・タワー』の中でもウォルター・オディムジョン・ファースンなどを名乗っていました。

ザ・スタンド』ではランドル・フラッグという名前で登場しています。ヘンリー=このランドル・フラッグが『キャッスルロック』に別の姿として登場したものでしょうか。

解説からのキーワード:青年

キャッスルロック2』の解説でも青年(ヘンリー・ディーヴァー)を第1シーズン最大の謎として紹介しました。400年前に起こったできごとの元凶であると。そして解説では深紅の王(クリムゾン・キング)の配下で悪の根源となる男が登場することを言及しています。「黒衣の男」や「不老の異邦人」などと呼ばれていたことも言及しました。

8話Dirty

キャッスルロック、エルサレムズ・ロット・デリー

この3つの町はスティーブン・キングの創造した町として知られています。キャッスルロックにある道路標識にはまっすぐ進んだ先にセイラムズ・ロット、右方向にデリーへ行く道があると示されていました。

アニーの最強武器スレッジハンマー

ミザリー』のアニーと言えば、隙をついて逃げ出そうとしたポール・シェルダンにお仕置きとして、スレッジハンマーで両足を粉砕しました。映画の中でも屈指の衝撃シーンだったではないでしょうか。

キャッスルロック2』でアニーはジョイを助けるためにスレッジハンマーでやつらのひとりの頭蓋を粉砕しました。まさに鬼に金棒。アニー覚醒です。

亀の印

スティーブン・キングの『ダーク・タワー』には小さな亀の形をした石が登場します。この石を見せると相手は魅了され、こちらの言うことをなんでも聞くようになるのです。この亀の守護者たる石は善なる象徴として登場しました。

キャッスルロック2』でも同じような現象が起きています。ヘンリー・ディーヴァー(400年前)の石像です。この石像を見た者は魅了されたように恍惚な表情を浮かべ、抜け殻となってその石像の行く先を追うだけの存在となりました。

 

解説からのキーワード:デリー

解説でも道路標識に注目して、解説していましたね。デリーは『IT』の舞台として有名ですが、登場しなくても他の作品で言及して伝えられることがあります。また、デリーが舞台の作品にもキャッスルロックの名が言及されることもあります。

9話Caveat Emptor

メロウ・タイガー

キャッスルロックにあるバー。スティーブン・キングの作品では『ニードフル・シングス』に登場しました。『キャッスルロック2』でも多くの主要キャラクターたちがこのバーで飲んでいる姿が映し出されています。

緊迫の列車シーン

緊迫の列車シーンといえば、『スタンド・バイ・ミー』で迫りくる列車から逃げるシーンですね。同時に『スタンド・バイ・ミー』の物語にはエース・メリルという人物が大きく関わっています。

キャッスルロック2』では追手を分断するために、迫りくる列車の前で線路をギリギリ横切るというシーンがでてきます。そしてその追手とはもちろんエース・メリルだったもののフォロワーたち。類似点を想起せずにはいられない象徴的すぎるシーンです。

解説からのキーワード:オープニングの地図

解説ではオープニングに登場する地図にキャッスルロック、デリー、ルウィストン、ブライトン、チェスターズミルが描かれていることを言及しています。キャッスルロックは今作や『スタンド・バイ・ミー』などの舞台、デリーが『IT』、ブライトンが『霧』、チェスターズ・ミルは『アンダー・ザ・ドーム』の舞台になった地です。また解説はセイラムズ・ロットが載っておらず、手書きでその名が書き入れられていることを『キャッスロック2』最大の謎として言及し終わっています。

オープニングからの補足でいうと、スティーブン・キングの作品の断片が端々に見られます。まずはじめにセイラムズ・ロットを舞台とした『呪われた町』からの目次ページの切れ端を読むことができます。『ミザリー』の実際の文章、キャシー・ベイツ主演で映画化もされた『黙秘』のページの切れ端、ポール・シェルダンが書いた『ミザリーの帰還』、ショーシャンク刑務所のブループリント、あの『IT』で有名な「ふわふわ浮かぶんだよ、ジョージィ」のフレーズなどが見られました。

10話Clean

とはスティーブン・キングの集大成である『ダーク・タワー』において重要な役割にあるアイテムです。『キャッスルロック2』では舞台であるキャッスルロックと別世界のキャッスロックとをつなぐ扉があることをキャラクターの会話から聞くことができます。

ダーク・タワー』においても扉は別世界とをつなぐ門のような役割を果たしていました。ギリアドのローランドはこの扉を通って現実世界のニューヨークへと渡り、世界の中心にそびえる暗黒の塔を修繕する旅の仲間として引き入れました。

No.1Fan

ナンバー・ワン・ファンとは『ミザリー』でアニー・ウィルクスが作家のポール・シェルダンに言った言葉。あなたの一番のファンよという意味。アニーはキャッスルロックでの騒動のあとでポール・シェルダンが書いた「ミザリー」シリーズと出会った。そして物語の最後では『ミザリー』で有名なナンバー・ワン・ファンという狂気のフレーズを放って終わりました。その後、アニーが何をしでかしたのかはおわかりですね?

解説からのキーワード:ミザリー

ミザリー』はアニー・ウィルクスが大好きだった「ミザリー」シリーズの終焉を宣言したポール・シェルダンを監禁し、「ミザリー」シリーズの続きを書かせる物語。『キャッスルロック2』の最後でアニーは「ミザリー」シリーズと出会っている。

スティーブン・キングの世界はどこへと収束して行くのか

スティーヴン・キング 映画&テレビ コンプリートガイド

スティーヴン・キング 映画&テレビ コンプリートガイド

  • 作者:イアン・ネイサン/入間 眞
  • 出版社:竹書房
  • 発売日: 2019年11月05日

今回の『キャッスルロック2』はキャッスルロックでの出来事を通して、狂気にマッド看護婦アニー・ウィルクスが覚醒するまでの様子が描かれました。前回の『キャッスルロック』でのできごとが少し登場しましたが、顔見せ程度に収まっています。

しかし前作からのファンには気になる内容が多々映し出されており、前作で残されたままの謎がどう収束していくのか気になるところです。

 

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