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ラーメンズの20年も前のネタが問題視される
ラーメンズの20年くらい前のネタを持ってきて、それを叩くのはまあ人それぞれに意見があるだろうからわかるけど、解任理由にするのは行き過ぎかな。ラーメンズはただ「ユダヤ人大量虐殺」というワードをネタに使っただけで、ホロコーストを支持しているわけでもなければ、ユダヤ人を差別しているわけでもない。
これはNHKの『できるかな』をパロディーにしたネタで、人型に切った紙が必要になった時にそれをゴン太くんが持ち出してきて、ノッポさん(小林賢太郎)が「ああ、ユダヤ人大量虐殺ゴッコをやろうって言った時のやつな」といった流れのネタだった。もうこのコントは結構好きで何回も観てるし、ブラック(黒人って意味じゃないよ!)が好きだからこのくだいにも笑ったし、この手のブラックユーモアにしてはそうとう軽い方だと思っている。
このネタが間違った広まり方をしている
しかもそれを「Let’s play Hollocoast.」と誤訳を悪意を持って広められている。それこそ問題ではないのだろうか。これよりもひどいネタなんて世界には大量に流布しているし、白人様にとってマイノリティーであるアジア人がまるで悪意を持って戦争の被害者を攻撃しているという風潮に持って行こうとしているのが怖い。
しかもアメリカまでこれに言及し、間違った情報を鵜呑みにして「許されることではない」とステートしている。これについては思わず笑ってしまった。「ユダヤ人ネタ」に関していえば、いまなおアメリカではユダヤ人差別があるし、さんざんユダヤ人をネタにして笑っているので、他人のことをとやかく言え義理ではないと思う。
アメリカは『サウスパーク』というどでかい爆弾を抱えている!
The Passion of the Jew https://t.co/xsMjhZh6G5
— 趣味全開見聞録 (@animecansoh) July 24, 2021
アメリカが小林賢太郎氏につて批判するなら、まず自国のトレイ・パーカーとマット・ストーンを批判すべきだろう。なぜなら彼らは『サウスパーク』でもっとひどいホロコーストネタをしているから。
それは「The Passion of the Jew」というエピソードでもともとユダヤ嫌いだったエリック・カートマンというキャラが映画『パッション』を観てユダヤ人へのヘイトを爆発させるというネタ。このエピソードではエリック・カートマンがヒットラーに扮し、「ユダヤを根絶やしにしろ!」とドイツ語で演説しながら町を練り歩いている。
こっちの方こそ「Let’s play Hollocoast.」じゃないか!w しかもラーメンズのネタの方がこのエピソードよりも古いんだぜ。アメリカは小林賢太郎氏のネタを問題する前にこっちを問題視するべきだろう。ボクはどちらのネタも面白いし好きなので、どちらも全然問題視する必要はないと思っているけどね。
『サウスパーク』は日本も戦争ネタにしているぞ(いいぞもっとやれ!)
『サウスパーク』は日本もネタにしてて、どのエピソードも面白くて好き。だから白人様がたにもちゃんとラーメンズのネタに向き合って好きになって欲しいものだ。
Chinpokomon https://t.co/czzbBkzoY1
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そのエピソードのひとつが「チンポコモン」。サウスパークで日本産のメディアミックス展開「チンポコモン」が流行ると言った内容。「チンポコモン」はもちろん「ポケモン」のパロディー。ちなみに英語でポケットモンスターというと「おちんちん」って意味になるから、それを踏まえての「チンポコモン」というネーミングで秀逸。
しかしその「チンポコモン」というのが日本の企業がしかけた罠だった! 日本のおもちゃ会社の社長ヒロヒトは、そのおもちゃでちょっとずつ子供たちを洗脳していって、傀儡となった子供たちを使って第2のパールハーバーを引き起こそうとしていたというなんともブラックなネタでした。
Whale Whores https://t.co/jvNNLZIekc
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日本人がアメリカ中のイルカやクジラを虐殺して回るというエピソードもある。これはシーシェパードによる捕鯨妨害が一番アツかった時期のネタだね。子供たちをそれを止めるために日本に行くんだけど、平成天皇がそれを迎えて(日本じゃあ絶対登場させられないお方だね!)なぜ日本人がイルカやクジラを憎んでいるのか説明する。
平和記念館に案内される子供達。そこには原爆を投下したパイロットの写真が飾ってあるが、その原爆を投下しているのがイルカとクジラだったのだ! これはアメリカ側から原爆投下の真犯人の写真として贈られたものであると平成天皇は語る。
それを知った子供たちは実はそれこそ真犯人が事実を隠蔽する罠であり、真犯人は牛や豚であると証拠の写真を捏造して天皇に渡す。それを知った日本人は今度はアメリカ中の牛や豚を殺して回る。それを見てアメリカ人は「これで日本人も俺たちみたくまともになったな」と安堵のセリフを吐く落ちで終わっている。
こんなにも日本をネタにしているのにそれでも面白い!
トレイ・パーカーとマット・ストーンは日本好きで、なんども日本を『サウスパーク』の餌食にしている。それでも日本という身近なネタは自分に親近感があるのか、日本をネタにしているエピソードは突出して面白い。他にもイギリスのエリザベス女王がアメリカでテロを画策したり、金正日を出してきたりとやりたい放題。
小林賢太郎氏があのネタで解任される理由となるなら、もしアメリカでオリンピックが開催されてトレイ・パーカーとマット・ストーンがイベント企画で雇われたときに『サウスパーク』を引き合いに出して解任するのが道理だろう。いや、むしろ彼らが企画したイベントすごく観てみたいけど。
小林賢太郎氏のネタ批判は本当に妥当なのだろうか?
『サウスパーク』ネタと比べると、ラーメンズの「ユダヤ人大量虐殺」なんて些細なネタでしかないように思える。むしろ戦争の過ちをネタにして笑い飛ばせることが人類が現在目指すべきステージではないのではないだろうか。
戦争の過ちを笑いごとにする。つまり戦争なんて原始的なものが現在でも存在していることこそがネタにすることよりも問題なんじゃないかと思う。それには戦争を過去の遺物とすることが必要なんじゃないか。ぜひとも世界の正義アメリカ様には戦争そのものを批判して、なくしていって欲しいものです。